最初の契約は、「アコム」だった。
当時は無人契約機が出だしたころで、「むじんくん」という機械で契約した。
窓口に行くのには抵抗があったから、ちょうどいいタイミングだった。
無人契約機で画面に従って操作すると、ときどき、オペレーターのお姉さんと直接やり取りする。
無人契約機であっても、インターホンごしに人と話をするようになっていた。
20分ほどで契約、審査が終わり、すぐに10万円借りることができた。
毎月の支払いは3000円だったと思う。
「3000円くらいだったらなんとでもなるな」
この手軽さが、のちに僕が借金の泥沼にはまっていくことになるのだが・・・
毎月の収入では既に足りなかった
毎月の収入では既に足りなかった。
当時、僕は恋人と暮らしていた。
彼女はアルバイトで、僕は正社員だったから、僕が生活費を捻出していた。
車も持っていたから、全然、お金が足りなかった。
基本給+営業歩合で毎月の給料が変動するから、毎月、必死に働いた。
営業すれば売れるのだが、個人の成績ではなく、チームの成績によって僕に歩合が入るものだから、それこそチームの皆で協力できるように努力した。
悩みなども聞いてあげて、たまには仕事を昼で切り上げたり、1日のノルマを達成した営業マンには、午前中であろうと、オフタイムにできるようにした。
もちろん、営業成績が上がったら、皆でよく飲みに行った。
全てが僕の驕りではなくても、立場上、僕が多く払うことになる。
10万円なんてあっという間になくなった。
僕は、これではちょっと財政破綻してしまうので、学生時代から得意だったパチスロにまた手を出すようになった。
これが、僕の借金を大幅に増やしてしまう原因にもなったのだ。
つづく