「お疲れ様です!!!」
僕はチームリーダーだったから、朝礼、終礼時には一言、皆に話したり、各個人に意見を求めて発表させたりすることが常だった。
営業職は、大半が体育会系だ。
朝礼時に順番に社訓を読まされたり、1分間スピーチなど当たり前。
営業は常に気合い、気合いの毎日なのだ。
今ではこういう会社をブラック企業と言うのだろうか?
そうであるならば、20年前の営業会社はブラック企業以外存在していないことになる。
だいたい、民間の弱小企業がのし上がって上場企業になるには、社員は連日、徹夜も当たり前の光景だったのだ。
「定時になったから帰ります」
という人は、まず、会社に居ずらくなって、自ら辞めてしまう。
若い頃から本気で仕事をして、本気で出世したい、この会社とともに成長して、幹部になったら、ようやく一息つける。
そんな未来を夢見れる人だけが、生き残れるのが営業の世界だ。
変人ばかりの世界
だからもう、生き残っているのは僕も含め、変人ばかり。
いわゆる「普通の人」は、3ヶ月くらいで自ら辞めていく・・・
そんな世界だ。
別にこれは、上司からやれと言われたわけじゃない。
「チーム一体」という雰囲気を作り上げるには、今も昔も、体育会系でいくしかない。
僕は体育会系というよりは、どちらかというと、〇〇〇よりだったから、その方向で統一していくしかない。
しかし、いつもピリピリした雰囲気ではなく、営業全体がダメな日、チームの誰も1本も売り上げを取れない日は、
「もう今日はヤメた、ヤメた!皆、帰るぞ!」
と言って、上司に電話して、
ノブオ:「まだ定時前ですけど、今日はウチ、だめですわ。ウチの営業所、皆、帰りますから」
上司:「お、おう。わかった。社長に伝えておく。明日はがんばれよ」
ノブオ:「はい」
と言って皆を帰らせたりした。
こういう荒業は売り上げがトップのチームだったからできることだけどね・・・
また、冗談を言ったり、社員にイタズラをしたりして、ピリピリした雰囲気を壊すために、わざと笑わせたりした。
例えば、売り上げの上がらないA君がトイレに行っている隙に、両面テープでA君の電話の受話器をしっかりと固定しておき、A君が帰ってきたら、
ノブオ:「A!、〇〇〇建設から電話入っているぞ、そっちに回すから」
A君:「は、はい!」
といって、A君が受話器を取ろうとしても、受話器が両面テープで張り付いていて、取れない。
A君:「あ、あれ?あれ?」
チーム、大爆笑。
A君、苦笑い。
こうやって、チームのピリピリした雰囲気を、イタズラで和ませていく。
大事なのは、冗談としてとれる人と取れない人を見極めて、イタズラを仕掛けること。
心身共に弱っている人には、決してイタズラをしてはいけない。
そういう各個人のキャラを生かして、チームを導くのも、リーダーの役目だ。
僕はあまりキャパがないから、部下が6人までなら、全ての行動やメンタル面まで配慮できるが、12人になったときは、さすがにNo.2を置かなければ、統率できなかった。
あのときNo.2を担ってくれた右腕には、本当に感謝している。
つづく
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