彼女:「今日は、泊っていくんでしょ?」
彼女はほんのりと頬を赤らめながら言った。
ノブオ:「いいの?」
彼女:「うん」
彼女は立ち上がって、後ろのふすまを開けた。
瀟洒なマンションだけど、リビングの隣は和室っていうのは定番なのだろうか?
オレはマンションに住んだことがないのでわからないけど・・・
彼女が開けたふすまの向こう側の部屋には、マットレスと、よくわからない健康器具が一つあった。
マットレス、ですか・・・
オレは心の中で思った。
普通は、ベッドとか買うだろう。。。
本当に、必要な物以外ないな。
健康器具の存在は、よくわからないけど。
その夜、オレは初めて彼女の部屋に泊まった。
夜中の珍事
二人で一緒に寝るのは、これで何回目だろうか?
いつも会うのはホテルだったから気にならなかったが、彼女は夜中、いつもトイレに行くときに「迷子」になる。
泊るホテルの部屋の間取りはバラバラだったから、トイレに行くのにうろうろするのは当たり前だと思っていたが・・・
自分の部屋でも、迷うものだろうか?
ノブオ:「トイレ?」
彼女:「うん」
と言って、彼女は起き上がり、ふすまを開けたのだが・・・
開けたふすまは「ふすま」でも、そこは押し入れ。
開けたところで、部屋はない。
彼女:「あ、間違った。こっち?」
そこも、押し入れだよ・・・
オレが言うまでもなく、彼女は「押し入れのふすま」を閉めて、ようやく正気になったのか、自分の家のトイレに向かった。
オレは彼女の行動が理解できなかったが、やがて、自分もそういった奇怪な行動をするようになるとは、この時は思いもしなかった。
つづく
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