突然の幸運【緊急入院9】

緊急入院




2日目の夜も一睡もできなかった。

寝ている瞬間はあるのだろうけど、起きている時間が連続している感じ。

まったく熟睡できていない。

さらに厄介なことに、小便をするたびに脈拍数が150以上にまで上がるようになった。

あまりオシッコを踏ん張ると、心臓が止まってしまいそうだ。

これは寝不足のせいだろう。

まじでヤバイと思い、先ほどはオシッコを諦めた。

もう限界だ。

 

何もかも悪いほうに進んでいくぞ。

天井のカタカナも相変わらずしっかりと読める。

もうオレの頭の中はどうにかなってしまったらしい。

そう思うと、突如として涙があふれ、嗚咽を漏らしてしまった。



大いなる勘違い

朝食後、オレはしばらく、ボーッとしていた。

朝食は白米に梅干しのソース。

相変わらず美味い。

さて、オレはこれからどうすればいいのか?

なるべく早く退院したい。

全ての薬を断たれ、一睡もできない状態がずっと続いている。

入院する2日前までも一睡もできなかったので、これで4日目だ。

さすがにつらい。

立っているとフラフラする。

かくなるうえは脱走してやろうか。

いや、脱走はマズイ。

この病院にオレの両親もお世話になっているのだ。

何かいい方法はないか?

そうだ。

オレは来月、免許の更新がある。

直前で退院させられると、体力的に更新に行く自信がないと言って、退院を早めて貰おう。

そうだ。そうしよう!

と、主治医が来たので、話してみると、

「うんうん、退院したいってこと?免許の更新って理由があれば、特例が受けられるよね」

「ぐっ」

何もかもわかっていらっしゃる。

しかし、今日の主治医はアイマスク?をしているせいか、顔が違って見えるぞ。

髪もこんなに茶色だっけ?

「わかりました。私からも先生に話してみますが、担当医が見回りに来たら、その旨伝えてくださいね」

と言って、先生は去っていった。

なぬ!

別の先生だったのか!

なんだかおかしいと思った。

オレはまったく違う先生に自分の内情を話していたのだ。

背格好が似ているので、間違えてしまったじゃないか!

あな、恥ずかしや・・・

「ご気分いかがですか?」

パニック状態でいると、そこに本当の主治医が登場。

相変わらず、ため息が出るほどの知的さと美貌。

「ノブオさん、眠れました?」

「いえ、まったく一睡もできません・・・」

「ですよね・・・。眠剤を再開しようとも思いましたが、これ以上の不眠は肉体的にも、メンタル的にも悪影響を及ぼすと考えられます。

全身の筋肉もついてきてますし、吊る症状も改善されています。

もしよければなんですが、最速で本日、退院できます。いかがされますか?」

えっ!

なんたる幸運!マジか?マジですか!?

「退院したいです!」

オレは即答した。

「では、退院の手続きを取りますので、ご両親に何時頃、迎えに来れるか聞いて頂けますか?」

「あの、僕、電話ないんで・・・」

「あぁ、それなら私のほうからご両親にご連絡しておきますね!また来ます!」

マジか、なんとう急展開!

さすが美人で優秀な先生!

オレのメンタルまで考えてくれていらっしゃる!

で、オレの両親が午前中に迎えに来てくれて、めでたく退院となった。

家についた途端に尿意を催して、大量のオシッコが出たのは言うまでもない。

コメント

※【書き込み時のご注意】ノブオの体調により、コメント欄が開閉します。
ノブオの親兄弟を侮辱する書き込みはNGです。また、ノブオを庇護する方への誹謗中傷やからかいも厳禁です
タイトルとURLをコピーしました