【体験談】オーストラリアで子育てするメリット・デメリットとは?リアルな暮らしと制度を紹介

育児制度・支援

「オーストラリアの子育てって実際どうなの?」
私自身、オーストラリアで出産し、現在1児の子育て真っ最中。実際に暮らして感じたメリット・デメリットを正直にお伝えします。

「海外で子育てって大変そう…」と思う方も、「自然豊かで理想的!」というイメージの方も、ぜひ最後まで読んでみてください。


オーストラリアで子育てする【5つのメリット】

1. 医療費が基本無料(Medicareが使える)

オーストラリアでは、公立病院での出産やGP受診などが無料で受けられることが多く、家計にはとてもありがたいです。

さらに、子どもの健康発達に関する無料サポートも充実しています。

私の場合、生後数週間で行われた保健師(Maternal and Child Health Nurse)との相談の中で、「赤ちゃんに軽い向き癖(flat head / head preference)があるかも」と指摘されました。
その後、GPからの紹介で
股関節のエコーを実施し、理学療法士(Physiotherapist)にかかりました。そこでは、アセスメントの他に日常生活でできる予防・改善方法として「タミータイム(うつ伏せ遊び)」の大切さを教えてもらいました。

👉 赤ちゃんの発達をサポート!タミータイムのやり方と効果はこちらの記事で詳しく紹介しています。

このような「早期発見 → 専門家のフォロー」まで一連の流れがMedicareでカバーされているのはとても心強いポイントです。

ただし注意点も。耳鼻科や皮膚科などの専門医に診てもらうには数週間〜数ヶ月待ちということもありますし、私費診療だと$150〜$300以上かかることも。


2. 自然が身近で、子どもがのびのび育つ

公園やビーチ、動物園、国立公園…自然との距離が近いことで、
「のびのびした育児ができる」と感じるママ・パパが多いのも納得です。


3. ワークライフバランスがとりやすい

オーストラリアでは、仕事と育児の両立を支援する制度や文化が整っていると感じます。特に、子育て中の親が「時短勤務」や「フレキシブルワーク(柔軟な働き方)」を選択するのはごく当たり前のこと。企業側もそうした働き方に理解があり、サポート体制が整っている職場が多いです。

私自身も、子どもが1歳になるタイミングで仕事復帰を予定しており、週3日の時短勤務を選びました。これは特別なことではなく、子育て中のママが多い職場では多くの人が同様の働き方をしています。

こうした柔軟な働き方ができることで、家庭もキャリアも大切にできるのがありがたいです。


4. 子育て支援制度・補助金が手厚い

  • Child Care Subsidy(保育料補助)
  • Paid Parental Leave(育休手当)
  • Family Tax Benefit(育児手当)

など、所得に応じたさまざまな経済的支援が受けられます。

➤ 詳しくはこちらの記事もおすすめ:
【保存版】オーストラリアの子育て支援制度まとめ


5. 長期の里帰りもしやすい

オーストラリアで子育てをしていて、「これは本当にありがたい」と感じるのが、長期の里帰りがしやすい環境です。

有給をしっかり消化できる文化

オーストラリアでは、有給休暇(Annual Leave)を“ちゃんと使う”のが当たり前
同僚や職場の理解もあり、2〜3週間単位でのまとまった休暇取得がしやすいため、日本への里帰りも計画的にしやすいのです。

私自身、実家の家族との再会を目的に、毎年1回、子どもを連れて帰国するようにしています
職場でも「ゆっくりリフレッシュしておいでね」と送り出してもらえるのは、本当にありがたい文化だと感じます。

2歳未満ならバシネット利用で航空券もお得に

また、子どもが2歳未満であれば、国際線でのバシネット(簡易ベビーベッド)利用が可能
座席を取らずに「infant(幼児)料金」での搭乗ができるため、航空券代を大きく節約できます。

バシネット席を事前にリクエストしておくことで、赤ちゃんが寝ている間に食事をしたり、手を休めることもできるので本当に助かります。

バシネットの利用方法や予約時のポイントは、以下の記事で詳しく紹介しています:
▶︎ 【体験談あり】JALのバシネット(赤ちゃん用ベッド)予約ガイド|赤ちゃん連れの国際線を快適に乗り切るコツ


⚠️ オーストラリア子育ての【3つのデメリット】

1. 専門医にすぐ診てもらえないことがある【耳鼻科・小児科】

オーストラリアの医療制度では、公的医療(Medicare)によって基本的な医療は無料または低額で利用できます。一方で、専門医(耳鼻科・皮膚科・小児発達専門医など)へのアクセスは非常に時間がかかることがあります。

私自身、スピーチパソロジストとして働く中で、扁桃腺やアデノイドの肥大が疑われるお子さんに「一度耳鼻科でのチェックを」と勧める場面がよくあります。
しかし、紹介状(Referral)を出しても公的システムでは数ヶ月待ちというケースも多く、早期対応が必要な発達支援においては大きなハードルとなっています。

Private Health Insurance の活用もおすすめ!

こうした「待ち時間」を短縮するために、Private Health Insurance(民間医療保険)に加入しておくのも一つの選択肢です。

例えば、以下のような保険プランでは耳鼻科や理学療法士、心理士など専門医の診療費が一部または全額カバーされる場合があります:

  • Extras Cover(補助サービス用)でスピーチパソロジー・理学療法・カイロ・眼科など
  • Hospital Coverで耳鼻科や小児専門医などの診療・処置

ただし「Waiting Period(待機期間)」に注意!

多くの保険では、加入後すぐには全てのサービスが使えるわけではなく、

  • 一般的に 2ヶ月〜12ヶ月の待機期間が設けられていることが多いです。
  • 特に 妊娠・出産・整形外科・耳鼻科の手術などは12ヶ月の待機がある保険会社も。

もし「今は困っていないけれど、子どもが大きくなったときのことも考えておきたい」という方には、早めに加入してWaiting Periodを消化しておくことをおすすめします。


2. 日本の家族に頼れない|新生児期は本当にしんどかった

海外で子育てをする中で、日本の家族にすぐ頼れないことが一番つらかったのは、新生児期でした。

出産直後は、体の回復・ホルモンバランスの変化・寝不足・母乳育児の試行錯誤などで、心身ともに限界。
そんなとき、「ちょっと見てて」「数時間だけ寝かせて」が言える相手がいないことは、想像以上の孤独感とストレスにつながりました。

実際、私も「この状況、誰か助けて…」と思いながらも、日本にいる家族に電話するしかできず、何度も涙が出たのを覚えています。

さらに、日本の家族に何かあったときにすぐ帰れないという現実も、海外在住者にとって大きな精神的プレッシャーです。
飛行機代は高額で、直前予約はさらに割高。「駆けつけたくても駆けつけられないもどかしさ」を感じる場面はこれまでの海外生活で何度もありました。

海外で子育てをするというのは、「制度」だけでなく「人との距離」も大きなハードルなのだと、身をもって感じています。

日本の家族が近くにいない環境で子育てをする中で、「何を頼りに育児すればいいんだろう?」と迷う瞬間もあると思います。
そんな時に助けになるのが、現地オーストラリアの信頼できる育児・支援サイトです。

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▶︎ オーストラリア子育てに役立つおすすめウェブサイト6選【育児・メンタルヘルス・発達支援】


3. 物価がとにかく高い!住居・食費がじわじわ家計を圧迫

オーストラリアでの子育て生活で、家計の大きな悩みのひとつが「物価の高さ」です。
特にここ数年は、コロナ禍後のインフレの影響が大きく、生活費が全体的に大幅に上昇しています。

住宅価格が急上昇

エリアによっては、「コロナ前より1.5倍近く不動産価格が上がった」という話も珍しくありません。
実際、私が住む地域でも家賃の高騰や、購入希望者の競争が激化していて、「家を買う夢がどんどん遠のく…」というのが正直な実感です。

スーパーの食料品も高くなっている

2022年に渡航した当初と比べても、WoolworthsやColesなどのスーパーの商品価格は確実に上がっています

  • 食パンや牛乳、卵などの日常的な必需品も10〜30%以上値上がり
  • セール品を狙っても、以前ほどの割安感がない
  • 為替の影響で、日本食材や輸入品は特に高騰

節約のために、バッチクッキングや業務用サイズでのまとめ買い、冷凍保存の活用などを試行錯誤していますが、それでも「食費が家計の中で大きな割合を占めている」ことは変わりません。


まとめ|メリット・デメリットを知って、自分に合った育児環境を考えよう

オーストラリアの子育ては、

✅ 医療・補助金・働き方などの制度面が充実
✅ 自然に恵まれたのびのびとした環境
✅ その一方で、医療の待ち時間・物価の高さ・サポートの少なさがネック

海外での子育てには不安もつきものですが、「どんな制度があるのか」「どう乗り切るか」を知っておくことで、ぐっと安心感が生まれます。

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