【安心感の輪】ただ「そばにいる」ことが、子どもの発達を支えていた|スピーチパソロジストママの気づき

こんにちは!オーストラリアでスピーチパソロジストとして働きながら、0歳の息子を育てているMiwaです。
産後うつで心がいっぱいいっぱいだったとき、心理カウンセリングのセッションで出会った「Circle of Security(安心感の輪)」という考え方をこの記事では紹介します。子育てに役立つだけでなく、自分の感情とも向き合うきっかけになりました。
「Circle of Security」とは?
「Circle of Security(安心の輪)」ってなに?
Circle of Security(安心の輪)は、アメリカで生まれた育児支援の考え方で、
子どもが安心感や自己肯定感を育てていくための「親のあり方」をわかりやすく教えてくれる心理的なフレームワークです。
この考え方では、親子の関係は「行って → 戻って → また行く」という、円を描くような流れで説明されます。

子どもは安心できるからこそ「冒険」できる
たとえば、こんなふうに:
- 子どもは親から離れて、新しい世界に冒険に出る(探検・遊び・挑戦)
- でも、不安になると親のもとへ戻って安心をチャージする
- 安心感を得たら、また外の世界に向かっていく
この“行って→戻って→また行く”というサイクルの中で、
親が「安全基地」となって子どもを見守り、受け止める存在であることが、子どもの心の発達にとってとても大切なんです。
こんな行動が「安心の輪」のサインかも?
- 赤ちゃんがキョロキョロと部屋を見回し、ふと親の顔を確認する
- おもちゃで遊んでいても、時々こちらをチラッと見る
- 公園で遊んだあと、走って親のところに戻ってくる
それは、あなたが「安全な場所」になっているサインかもしれません。
親子の関係性を育む土台は、日々の関わりだけでなく、社会制度のサポートによっても支えられています。オーストラリアには、親が安心して子育てできるように整った支援制度があります。
▶︎【保存版】オーストラリアの子育て支援制度まとめ
子どもにとって「安心の輪」とは、“いつでも戻れる場所”があること
子どもは、親という“安全基地”があるからこそ、自由に世界へと踏み出していけます。
でもそのためには、「いつでも戻れる」「見守ってくれている」という感覚が必要です。
そしてその感覚は、難しいことをする必要なんてなくて、ほんの小さなやりとりの中で育っていくのです。
子どもは“そばにいるあなた”を見て安心している
- 赤ちゃんがキョロッと親の顔を見て、また周りを探検する
- 離乳食の途中、不安そうにこちらを見上げる
- 初めての場所で、ぎゅっと服の裾を握ってくる
そんな小さなサインに、「いるよ」「大丈夫だよ」とそっと微笑むだけで十分。
それだけで、子どもの心には「安心していいんだ」という土台が積み重なっていくんです。
親が「感情の通訳」になるとは?
生後4ヶ月の今、息子はまだ「安心の輪」の中で、行っては戻るをくり返しながら世界を少しずつ広げています。
でも、これから成長するにつれて、子どもはもっと複雑で大きな感情と出会うようになります。
- 思い通りにならなくてイライラする
- 好きなものを取られて悲しい
- 失敗して恥ずかしい気持ちになる
- 親に怒られて混乱する
そんなとき、まだ言葉が未熟な子どもは、自分の気持ちをうまく表現できません。だからこそ、親がその感情をくみ取り、言葉にしてあげる「通訳」の役割がとても大切になります。
たとえば…
- 「怖かったんだね」
- 「悲しかったね」
- 「怒ってるんだよね、わかるよ」
- 「恥ずかしくなっちゃったんだね」
そんなふうに、子どもの気持ちにラベルを貼ってあげることで、「自分の気持ちは感じていいものなんだ」と安心できるようになります。
感情に名前をつけてもらえることが、心の土台になる
感情を表現する力は、自己理解・他者理解・人との関係性を築く土台になります。
トドラー期に限らず、幼児期・学童期・思春期へと進む中でも、親が「通訳」であり続ける姿勢はとても大切です。
もちろん、私たち親も感情でいっぱいになることがありますよね。
だからこそまずは、自分の気持ちにも気づき、優しく言葉をかけること。
それが、子どもに「感情ってあっていいんだよ」と伝える一番の方法なのかもしれません。
親も「自分の感情」に気づいてあげよう
私自身、産後うつを経験して強く感じたのは、
「親にも、自分の感情に気づいて寄り添う力が必要」だということでした。
育児って、想像以上に感情が揺さぶられるものですよね。
- イライラが止まらない
- 何もしていないのに涙が出る
- 思ったようにできなくて、自分を責めてしまう
どれも、私が実際に感じた気持ちです。
「ちゃんとできてない」じゃなく、「がんばってるね」と言ってあげる
子どもの気持ちに寄り添うには、
まずは自分の気持ちにも優しい言葉をかけてあげることが、ほんとうはとても大事。
たとえば…
- 「イライラしてるね。大変だったもんね」
- 「うまくいかなくて悔しいね。頑張ってたもんね」
- 「今日もちゃんと向き合ってたよ」
そんなふうに、自分自身の“通訳”になってあげること。
それが、子どもに安心の輪を渡す力にもつながっていくのだと思います。
▶︎オーストラリア子育てに役立つおすすめウェブサイト6選【育児・メンタルヘルス・発達支援】
🕊 まとめ:親子で「安心の輪」を支え合えるように
Circle of Securityの中で、私たち親は「安心の輪」を差し出す側と言われます。
でもきっと、そこには親自身が「安心できる自分」であることも含まれているのではないでしょうか。
特別なことはしなくていい。
完璧である必要もない。
「そばにいて、気づいて、受け止める」――それは子どもにとっても、親自身にとっても大切なこと。
自分の気持ちにもやさしく寄り添いながら、必要なときは外のサポートに頼る勇気も大切です。
▶︎育児や心のケアに役立つ、オーストラリアのおすすめ支援サイトまとめはこちら