言葉の遅れ?年齢別に見る発達の目安と相談先【オーストラリア育児ガイド】

こんにちは、オーストラリア在住STのMiwaです。
この記事では、
・年齢別に見る言葉の発達の目安
・必要なときの相談先(オーストラリア国内)をご紹介していきます!
「まだ話さないけど大丈夫?」その不安、よくあることです
「うちの子、まだ話さないけど大丈夫?」
「同じ月齢の子より言葉が少ない気がする…」
そんなふうに感じる保護者の方は、実はとても多いんです。
言葉の発達には個人差があり、誰もが同じペースで伸びるわけではありません。
ネットや健診などで目にする「○歳で○語話す」といった情報は、あくまで目安(マイルストーン)です。ここで少し言葉の定義をご紹介します。
マイルストーンとは?
マイルストーンとは、多くの子(75%以上)がその年齢までに達成するスキルを指します。
平均とは?
全体の中央値のようなもの。
例えば「2歳で50語」というのは、多くの子がその前後で到達するという意味です。
expected(期待される発達)とは?
健康的な発達の範囲で「この年齢でできると望ましい」とされること。マイルストーンより少し幅を持たせた表現です。
こうした目安はとても参考になりますが、「全ての子がぴったりその時期にできるようになる」わけではありません。発達速度に差があるのは珍しくなく、家庭環境や性格、バイリンガル環境などによっても変わります。
大切なのは「周囲と比べすぎないこと」と「気になることがあれば、専門家に早めに相談すること」です。
以下では、年齢ごとの大まかな言葉の発達の流れと、気になるときの相談先をわかりやすくご紹介します。
お子さんのペースを大切にしながら、「気づいた今」できることを知るきっかけになれば幸いです。
年齢別|言葉の発達の目安
以下の発達の目安(マイルストーン)はSpeech Pathology Australiaの情報を参考にしています。
詳細はウェブサイトをご覧ください。
12か月ごろ
- 約10語を理解する
- 名前を呼ばれると振り向く
- 「バイバイ」などの挨拶やジェスチャーを理解する
- 身近な人や物を認識する(例:ママ、ぬいぐるみ)
- アイコンタクトをとる
- 音やジェスチャーを使い、いくつかの単語を話し始める
- さまざまな音を真似する
👉 この時期は、発語よりも「やりとり」や「ジェスチャー」が重要です。
18か月ごろ
- 6〜20語を話す(理解しやすいものから徐々に増える)
- 多くの言葉や音を真似する
- いくつかの体の部位を言える
- おもちゃの電話を耳に当てて「もしもし」と言うなど、見立て遊びをする
👉 まだ話せなくても、理解して動けていれば問題ないことが多いです。
2歳ごろ
- 50語以上を話す
- 2語文を使い始める(例:「ママ きて」「犬 いた」)
- 「何?」「どこ?」などの簡単な質問に答える
- 「中」「上」などの概念を理解する
- 「私の」などの所有を表す言葉を使い始める
👉 2歳で言葉がほとんど出ていない場合は、相談をおすすめします。
3歳ごろ
- 4〜5語の文を使う
- 名前、動作、場所、説明など、さまざまな言葉を使う
- 「何?」「どこ?」「誰?」などの質問をする
- 過去の出来事について話すが、間違えることもある
- 会話ができるが、順番を守ったり、話題に集中するのが難しいことも
👉 発音が聞き取りにくかったり、単語の繰り返しばかりの場合は専門的サポートが有効です。
言葉の遅れが気になるときの相談先(オーストラリア)
1. Child and Family Health Nurse(州の保健師)
赤ちゃん〜就学前の子どもの発達や育児全般をサポートしてくれる州政府の無料サービスです。
主なサポート内容:
- 定期健診(Key Ages & Stages)での発達チェック
- 保護者からの育児・発達に関する相談受付
- 必要に応じてスピーチセラピスト、作業療法士、小児科医などへの紹介
スクリーニングレベルで「ちょっと気になるけど様子見でいいのかな?」という段階でも気軽に相談できます。
州によって呼び方が異なります:
州 | 呼び名の例 |
---|---|
VIC州 | Maternal & Child Health Nurse(MCH) |
NSW州 | Child and Family Health Nurse |
QLD州 | Child Health Nurse |
SA州 | Child and Family Health Service(CaFHS) |
2. GP(かかりつけ医)
子どもの発達に不安があるとき、まず相談できるのがGPです。
保健師よりも医学的な評価や紹介の判断ができるため、もう一歩踏み込んだサポートが必要な場合におすすめです。
主なサポート内容:
- スピーチセラピスト、作業療法士、小児科医などへの紹介状の発行
- 発達の遅れや行動面の気がかりについて、医学的視点からの初期評価
- Medicareを利用して、補助を受けて相談が可能
「CDMプラン(Chronic Disease Management Plan)」を使えば、民間セラピストに年間5回まで部分補助が出ることも。
こんなときにおすすめ:
- 保健師に「様子を見ましょう」と言われたが、やっぱり気になる
- 発達支援のための正式な診断やサポートが必要そう
- NDISの申請を検討している
ケアプラン体験談はこちら
👉GPのCare Planを活用して管理栄養士に相談!育児中のリアルな食生活がどう変わったか
3. スピーチセラピスト(Speech Pathologist)
- 民間で直接予約可能
- 発語、発音、理解、ジェスチャー、コミュニケーション全体を評価してくれます。
- NDISやMedicareで費用補助が出る場合あり
👉 オーストラリアでスピーチセラピーを受ける方法については、Speech Pathology Australiaのウェブサイトをご覧ください。
この記事のまとめ
言葉の発達には、個人差や環境の影響が大きく関わります。
「まだ話さない」「他の子より遅い気がする…」と感じても、すぐに心配しすぎる必要はありません。
ただし、気になることがある場合は、早めに専門家に相談することがとても大切です。
というのも、発達のサポートは「早ければ早いほど効果的」だからです。
早期介入(early intervention)によって、必要な支援につながりやすくなり、その後の言葉の伸びや生活全体にも良い影響が期待できます。
「様子を見ていて大丈夫だった」というケースもありますが、
「気になる」=相談してみる価値があるサイン。
不安を抱えたままにせず、まずは気軽に相談してみましょう。
下のチェックリストを参考に、お子さんの様子と照らし合わせてみてください。
年齢 | 発達の目安 | 相談すべきサイン |
---|---|---|
12か月 | 指さし、呼びかけ理解 | 無反応、声が出ない |
18か月 | 単語10以上 | 言葉ゼロ、指示が通じない |
2歳 | 2語文、語彙50以上 | 発語が少ない、理解が弱い |
3歳 | 3語文以上、会話成立 | 発音が不明瞭、文が出ない |