フォニックスとは?スピーチセラピストが教える英語学習の土台|第二言語としての習得にもおすすめ

こんにちは!オーストラリアでスピーチパソロジストとして働くMiwaです。
「英語はまだ早いかな?」「ABCは読めるけど、単語が読めない…」
そんなときに役立つのが、フォニックス(Phonics)です。
フォニックスとは、アルファベットの“音”と“つづり”のルールを学ぶ方法。正しいステップで取り入れれば、英語の読み書きの土台がぐんと育ちます。
今回は、フォニックス初心者の親子向けに、おうちで楽しく始められる方法を5ステップで紹介します!
フォニックスってなに?
フォニックス(Phonics)は、アルファベットの「名前」ではなく「音(音素)」を覚える学習法です。
たとえば:
- B → “ブッ”(/b/)
- T → “トゥッ”(/t/)
このように、文字と音の関係を理解することで、初めて見る単語も「音で読める・書ける・発音できる」ようになります。
スピーチセラピストの視点:フォニックスが役立つ子どもたち
読み書きに困難がある場合(ディスレクシア傾向)
音と文字の結びつきが弱いと、読み書きの習得に時間がかかったり、負荷が大きくなりやすいです。フォニックスは、その間をつなぐ橋渡しになります。
読み書きに苦手さを感じやすい子どもにとっては、暗記に頼るのではなく、「音を聞いて分ける」「音をつなげる」といった感覚的なアプローチがとても大切です。文字に入る前に、まずはたっぷり音を聞き、体を動かしたり手を使ったりしながら音のしくみを体験することが効果的です。
また、ディスレクシアの傾向がある場合、「読めない」のではなく、読むときにより多くの労力が必要になることがあります。そのため、視覚と聴覚を組み合わせた教材や、遊びながら繰り返し学べる仕組みがとても役立ちます。
たとえば、触るグリフのような教材は、文字を指でなぞりながら音と結びつけられるマルチセンサリー学習が可能。視覚・聴覚・触覚を同時に使うことで、より負担を減らしながら理解を深めることができます。
ESL児(英語が第二言語)
母語が英語でない子どもにとって、英語らしい音を意識的に身につける大きな助けになります。
特に、家庭では英語に触れる機会が少ない場合、アルファベットの音に親しみ、英語の音に耳を慣らすことがとても重要です。 フォニックスは、英語を”音”から学ぶアプローチのため、発音・聞き取り・スペリングの土台をバランスよく育てることができます。
また、ESL児は英語を”音ではなくスペル”から覚えようとすると混乱しやすいため、フォニックスのように音から始めるアプローチが特に効果的です。 遊びや歌、視覚教材を活用することで、楽しみながら継続できます。母語が英語でない子どもにとって、英語らしい音を意識的に身につける大きな助けになります。
おうちでできる!フォニックス5ステップ
フォニックスの練習に使える無料教材は、以下のようなサイトで手に入れることができます:
▶︎ SPELD NSW Decodable Readers at Home
このページでは、初心者向けのデコーダブルリーダーや音に焦点をあてた教材が多数公開されています。ESL児や読み書きが苦手な子にとっても使いやすく、おうち学習にぴったりです。
1. 音を覚える
アルファベットの「名前」より「音」を重視。
例:
- A → /a/(アッ)
- B → /b/(ブッ)
- C → /k/(クッ)
おすすめ:Jolly Phonicsの歌やTwinklのフォニックスソング
こちら👉では、おうち英語で気をつけたい発音ルールと、おすすめの練習方法をわかりやすく紹介しています。
2. 音から単語へ(ブレンディング)
音をつなげて単語を読む練習。
例:
- /c/ + /a/ + /t/ → cat
- /d/ + /o/ + /g/ → dog
📌 ポイント:3文字のCVC単語(子音+母音+子音)がおすすめ。
3. 音を分けて聞き取る(セグメンティング)
聞いた単語を音に分解する練習。
例:cat = /k/ /a/ /t/
遊び:I Spy(音バージョン)、音さがしゲームなど
4. ダイグラフ(2文字で1音)に挑戦
例:
- /sh/ → ship
- /ch/ → chin
- /th/ → this / thin
📌 無理せず、日常の単語から少しずつ取り入れましょう。
5. 読む楽しさを味わう
身についた音の力を使って、実際に「読む」体験へ。
おすすめ読本:
📌 無理に読ませず「一緒に読む」「読めたら褒める」が基本!
フォニックスだけじゃ足りない?
読み書きや発音の基礎を支えるフォニックスですが、語彙・文法・表現力のサポートも必要です。
フォニックスで「音を聞いて読める」ようになってきたら、次はその単語の意味や使い方を理解し、実際のコミュニケーションにつなげていく段階です。
たとえば:
- 覚えた単語を使って簡単な文をつくる(”I see a cat.” など)
- 絵本を読みながら単語の意味を一緒に話す
- 覚えた単語でしりとりやカルタ遊びをする
おうちでのこうした言葉遊びや、語彙を使う機会を少しずつ増やすことで、英語が「音」から「意味」へと広がっていきます。
無理に教え込むのではなく、親子で一緒に楽しむことを大切にしてみてください。
まとめ|フォニックスは「音から学ぶ英語」の第一歩
フォニックスは、英語を母語としない子どもにとって非常に有効な学習法です。
発音・聞き取り・読み書きをまとめて育てることができます。
ぜひ、おうち英語やバイリンガル育児の一環として、楽しみながら取り入れてみてくださいね。
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