【初心者向け】Twinkle AACのシンボル機能とは?絵カードで子どもの「伝えたい」を引き出す方法

オーストラリア生活

まだ話せない子も「伝える力」は育てられる

発達障害や言語発達の遅れがあるお子さんの中には、まだ話せない、または言葉での表現が難しい子がたくさんいます。
でも、言葉が出ないからといって「考えていない」「伝えたい気持ちがない」というわけではありません。

そこで役立つのがAAC(補助代替コミュニケーション)、そして「Twinkle 」のシンボル(絵カード)機能です。


Twinkle シンボルとは?

Twinkleシンボルとは、Twinkle AACアプリで無料で使える「絵カード(ピクチャーシンボル)」のことです。
子どもがタブレットの画面に表示されたイラストをタップすることで、あらかじめ録音された音声が流れ、自分の思いや要求を伝えることができます。

たとえば、「おやつ」のイラストをタップすれば「おやつたべたい」と音声が出る。
文字が読めない子どもでも、視覚的な情報(イラスト)を使って直感的にコミュニケーションができるのが大きな特徴です。

Twinkle AACはiPhone・iPad(iOS)だけでなく、Android端末にも対応しているため、家庭にあるデバイスですぐに始めることができます。さらに、自分の写真や音声を登録してシンボルを自由にカスタマイズできるので、お子さんに合った使いやすい環境を作ることができます。


Twinkleシンボルのここがすごい!

1. 日本語対応でそのまま使える

多くのAACアプリは英語が基本ですが、Twinkleは最初から日本語での音声出力・表示に対応。
親子ともに使いやすく、言葉の理解も深まりやすいです。

2. パーソナライズできる

好きなおもちゃ、家族の写真、通っている場所など、自分にとって身近な写真をシンボルにできるので、よりその子の生活に関連した内容にできます。

3. カスタマイズが簡単

  • 音声の録音(お母さんや先生の声も登録可能)
  • シンボルの並べ替えや分類
  • カテゴリーの作成(例:食べ物・行動・気持ち)

操作が直感的なので、ITが苦手な方でも安心して使えます


シンボルを使うと子どもにどんな変化があるの?

🌟 発語がなくても「意思表現」ができる

「これがしたい」「これはいやだ」など、自分の気持ちを伝えられる経験が、子どもの自信に直結します。

🌟 問題行動が減ることも

言葉で伝えられないことがストレスになり、かんしゃくや泣くことでしか表現できなかった子が、シンボルを通して「伝える」ことができるように

🌟 話しことばの発達を促す

AACを使うことで「話す力が伸びなくなるのでは?」と不安に思う保護者の方もいますが、実際にはその逆です。
研究によると、AACの導入は発語や言語発達を妨げるどころか、むしろ促進することがあるとされています(Millar et al., 2006)。

主な参考文献

  1. Millar, D. C., Light, J. C., & Schlosser, R. W. (2006)
    The impact of augmentative and alternative communication intervention on the speech production of individuals with developmental disabilities: A research review.
    Journal of Speech, Language, and Hearing Research, 49(2), 248–264.
    DOI: https://doi.org/10.1044/1092-4388(2006/021)
    ▶ この論文は、AACが発話を促進する可能性が高いことを示したレビュー研究です。特に小児の研究が多く取り上げられています。
  2. Romski, M. A., & Sevcik, R. A. (2005)
    Augmentative communication and early intervention: Myths and realities.
    Infants & Young Children, 18(3), 174–185.
    DOI: https://doi.org/10.1097/00001163-200507000-00002
    ▶ 「AACを使うと話せなくなる」という誤解に反論し、早期導入の効果と安全性を解説しています。

Twinkleシンボルの導入ステップ

  1. アプリをダウンロード(iOS)
     App Storeで「Twinkle AAC」と検索→インストール
  2. 基本の絵カードを並べる
     よく使う言葉・物・行動など、10〜15枚からスタート
  3. 本人の興味のある内容を追加
     好きなキャラクター、おやつ、遊び道具なども◎
  4. 日常生活で使ってみる
     例:「おやつ食べる?」「トイレ行く?」と声をかけながらカードを使う
  5. 成功体験を共有する
     「伝わったね!」「わかってくれてありがとう」と伝えることで、さらに使いたい気持ちが育ちます

まとめ|Twinkleのシンボルで、子どもの「伝えたい」を今すぐサポート

Twinkle AACのシンボル機能は、ことばの壁を超えて「伝える力」を育てる大きなサポートツールです。
無料で始められるのに、高いカスタマイズ性と親しみやすさが魅力。

言葉に困っているお子さんの「わかってほしい」「伝えたい」気持ちに寄り添う第一歩として、ぜひ活用してみてください。

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