ケアプラン(Care Plan)とは?
ケアプラン(正式名称:GP Management Plan / Team Care Arrangement)は、オーストラリアのMedicare制度のひとつで、慢性的な健康課題がある人が、必要な医療系サービスを割引料金または無料で受けられる制度です。
対象になると、スピーチセラピー・作業療法・心理士などのサービスを年間最大5回までMedicareの補助で受けることができます。
どんな人が対象?
以下のようなケースで適用されることが多いです:
- 発達の遅れがあるお子さん
- 言語やコミュニケーションに課題がある(例:ことばが遅い、吃音など)
- 自閉スペクトラム症、ADHDなどの診断がある
- 読み書きや感覚の困りごとがある
- 長期的に支援が必要とされる状態(慢性症状)
👉 年齢にかかわらず、「6か月以上継続的な支援が必要」とGPが判断すれば対象になります。
作成の流れ|実際のステップ
ステップ1:GP(かかりつけ医)に予約を取る
「ケアプランを作成したい」と伝えて、長めのアポイントメント(Long Consultation)を予約しましょう。
ステップ2:健康状態や必要な支援についてGPと相談
症状・困りごと・希望するサービス(例:スピーチセラピーを受けたいなど)を伝えます。
ステップ3:必要に応じてTeam Care Arrangementを追加
複数のプロフェッショナル(例:OT+STなど)を含む支援が必要な場合は、TCA(チームケアアレンジメント)も同時に作成してもらえます。
ステップ4:リファラル(紹介状)を受け取る
希望するプロバイダーに渡すための紹介状(Referral Form)をGPが発行します。
受けられる支援の例(Medicareリベート対象)
- スピーチセラピー(言語療法)
- 作業療法(Occupational Therapy)
- 心理士(心理カウンセリング)
- 理学療法(Physiotherapy)など
👉 各サービスにつき最大5回/年までがMedicareの補助対象になります
(サービス全体で5回。例:OT3回+ST2回などの組み合わせも可)。
費用はどれくらい?
多くのプロバイダーでは、Medicareからの還付(rebate)を受けた上で差額を支払う「ギャップ料金」が発生します。
- 完全バルクビリング(無料)のところもあれば
- 差額20〜80ドルほどが必要な場合もあります
※プロバイダーに事前確認をおすすめします。
ケアプランとメンタルヘルスケアプランの違いは?
オーストラリアには、目的別に2種類のプランがあります。
プラン名 | 対象の課題 | 主なサービス | 回数目安 |
---|---|---|---|
GP Management Plan(ケアプラン) | 発達・感覚・身体の支援 | ST, OT, PT, 心理など | 年間最大5回 |
Mental Health Care Plan(メンタルヘルスケアプラン) | 感情・行動・心理面のサポート | 心理士カウンセリングなど | 年間最大10回(条件により20回) |
使い分けのポイント
- ことばや発達の支援を受けたい → ケアプラン
- 不安や行動面のカウンセリングを受けたい → メンタルヘルスケアプラン
両方のプランを別々の目的で併用することは可能ですが、同じサービスに対して同時に使うことはできません。ケアプランの有効期間と更新
- プランは1年間有効
- その後も継続支援が必要な場合、再評価を行って更新可能
よくある質問(FAQ)
Q:ケアプランとNDISやプライベート保険は同時に使えますか?
→ いいえ、1回のサービスにつき使えるのは1つだけです。
たとえば、同じセッションでケアプラン(Medicare)とNDISや保険を同時に使うことはできません。
ただし、それぞれ別の日や別のサービスで使い分けることは可能です。
Q. 学校の先生にすすめられました。保護者だけでもGPに相談していいですか?
→ はい、保護者のみでの受診でも問題ありません。子どもの様子や心配ごとをGPに伝えてください。
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まとめ
スピーチセラピーや他の支援を受ける際「まずはGPでケアプランを作成する」ことが第一歩となります。申請のハードルを感じている方も、かかりつけ医に相談するだけで具体的な支援の道がひらけます。気になることがあれば、早めの行動をおすすめします。