【オーストラリア育児】5ヶ月健診で教わった離乳食指導|BLWとフィンガーフード体験談

海外育児・妊娠出産
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はじめに:5ヶ月健診で離乳食の話が始まった!

先日、オーストラリアでの5ヶ月健診(5-month checkup)に行ってきました。今回の健診では、体重・身長の計測に加えて、保健師さんからの離乳食指導(solid feeding guidance)がありました。

実は我が家では、すでに日本から持参したパウダー状のお粥や野菜の粉末を使って、ピュレ状(purée)の離乳食を少しずつ始めていました。

保健師さんの方針は「Baby Led Weaning(BLW)」

保健師さんからの説明で印象的だったのは、オーストラリアの離乳食の基本方針として「BLW(Baby Led Weaning)」がベースになっているという点でした。

BLWとは?

BLW(ベビーレッドウィーニング)とは、赤ちゃんが自分で食べ物をつかみ、かじり、飲み込む力を育てる自発的な離乳食スタイルのこと。ペーストやピュレではなく、形のあるフィンガーフード(finger food)を取り入れていきます。

  • 赤ちゃん主導で食べる量・ペースを決める
  • スプーンよりも自分の手で食べる経験を大事にする
  • 食事=学びの時間という考え方

オーストラリアではこのBLWが一般的になりつつあり、「無理にピュレにこだわらなくてOK」というアドバイスももらいました。

フィンガーフードに挑戦!でも、やっぱりえずいた…

保健師さんから「興味がありそうなら試してみても良いよ」と言われたので、勇気を出して柔らかく煮た人参スティックを手渡してみました。

結果…もちろん、gag(えずき)!!

私はスピーチセラピスト(Speech Pathologist)なので、乳児のgagとchoking(窒息)の違いや、発達過程でえずきはよくある反応という知識はありました。でも、自分の赤ちゃんがえずいている姿を見るのはやっぱり怖い!

Gag reflexは正常な発達の一部

gag reflex(咽頭反射)は、生後初期には舌の中央〜前方に強く現れ、徐々に奥に移動していきます。これは、赤ちゃんが固形物に慣れていくプロセスの一部。実際、多くの研究でも「BLWにおけるgagは一時的で、chokingのリスクとは明確に区別される」と示されています。

フィンガーフードが与える発達へのメリット

フィンガーフードのメリットは、単に「自分で食べられる」ことだけではありません。

1. Fine motor(指先の器用さ)の発達

食べ物をつかんだり、持ち替えたりする動作は、手と指の協調性や力加減を育てるのに役立ちます。これは、後のスプーン・フォーク操作や書字にもつながります。

2. Oral motor(口の運動機能)の促進

舌や唇、顎を使って噛む・動かすことは、将来の発音にも関わります。

▶ BLWに関する研究紹介

最近の研究でも、BLW(Baby-Led Weaning)を取り入れることで、赤ちゃんの運動発達や食習慣に良い影響があると報告されています。

たとえば、New Zealandのオタゴ大学が行った研究(Cameron et al., 2013)では、BLWを実践したグループは、以下のような特徴が見られたと報告されています:

  • より多くの手づかみ食べの機会を持ち、自発的な食行動が活発
  • 食事への興味・参加意欲が高くなる傾向
  • 幼児期の過剰体重(肥満)リスクが低い可能性

また、Brown & Lee (2011) の調査によると、BLWを経験した親の多くが「子どもが食べ物に対してポジティブな印象を持ちやすい」と回答しており、偏食や食事拒否の軽減にもつながる可能性があるとされています。

さらに、咀嚼や舌の動きなど口腔機能の発達もBLWを通じて自然に促されると考えられており、これは言語発達や発音の明瞭さにもつながる重要な要素です。

我が家の結論:ピュレとフィンガーフードのハイブリッドに

結局、我が家ではピュレとフィンガーフードを併用しています。たとえば、

  • 朝はピュレのおかゆ+りんごのすりおろし
  • 夕方は柔らかく煮たブロッコリーやアボカド

赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつ慣れてもらうスタイルが、わたし達には合っているようです。

まとめ:BLWを取り入れるかどうかは「無理なく」「怖くなく」

BLWにはたしかに発達的メリットがあります。でも、「gagが怖い」「むせたらどうしよう」と感じるママ・パパが無理に取り入れる必要はありません。

赤ちゃんのペースと保護者の安心感のバランスを取りながら、柔軟に取り入れていくのが一番です。
研究からも、「BLWは強制ではなく、選択肢の一つ」とされています(Brown et al., 2017)。

引用した主な研究

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